マクロを使えると年収が71〜194万円アップする可能性がある
実際に、何社か企業の採用責任者の方や、人材派遣会社の方に直接お会いして
実情をインタビューしてみたのですが、
一般事務職に限っては、時給相場が決まっているので、
「エクセルマクロの出来・不出来では、あまり時給や年収は変わらない」
とのことでした。
しかし、エクセルマクロが使えると、
一般事務とシステムエンジニアとの中間ぐらいのPCスキルを必要とする、
お仕事への就職・転職に有利になり、求められるPCスキルが高い分、
時給や年収は上がるとのことでした。
具体的な職種はコールセンター(ユーザーサポート)、ヘルプデスク、OAオペレーター、
OAインストラクターなどです。
もちろん、更に高いスキルが求められる
システムエンジニア(SE)やプログラマのお仕事であれば、
スキルの要求が高い分、更に時給や年収は上がります。
ここで、具体的にどれぐらい収入が増えるか計算してみましょう。
まずは、以下の「 一般事務職の時給金額 」をご覧ください。

リクナビ派遣の日本全国21,152件の求人案件を対象に調査
職種:オフィスワーク系(事務、経理、企画等)
抽出日:2011年2月15日
この統計に基づいて、一般事務職の時給の全国平均は1,129円とします。
そして、エクセルマクロを使いこなせるようになって、
時給1,500円のヘルプデスクのお仕事に就けるようになったとします。
ここで、1,500円−1,129円=時給371円アップを年収に換算すると
どれだけの年収アップになるか計算してみました。
時給371円×8時間勤務×1ヵ月20日勤務×12ヵ月=71万2,320円アップ
そう、時給が371円アップすれば、年収が71万円もアップするのです。
実際に2011年1月のリクナビ派遣の調査結果によると、
ヘルプデスクの全国平均時給は1,676円ですから、
地域によって金額の差はあるとしても、
時給1,129円→1,500円の371円アップは控え目な数字だと言えます。
ちなみにSEやプログラマになると、全国の派遣の平均時給は2,141円ですので、
一般事務職の平均時給1,129円と比べると時給1,012円アップです。
時給1,012円アップは年収に換算すると、
時給1,012円×8時間勤務×1ヵ月20日勤務×12ヵ月=194万3,040円アップ
そう、時給が1,012円アップすれば、年収が194万円もアップするのです。
SEやプログラマは不況や高齢になっても働き先がある
更に、2010年9月に全国47都道府県に拠点を持つ大手人材会社のキャリアコンサルタントと、神奈川県川崎市のハローワークの就職相談員に取材したところ、
SEやプログラマは関東だけでなく全国的に人手不足なので求人件数が多いですし、
スキルさえあれば建て前ではなく本当に年齢不問という会社も多いとのことです。
もちろん、高額年収で求人件数の多いSEやプログラマになるためには
エクセルマクロのスキルだけでは不十分で、その他たくさんのITスキルが必要ですが、
●これだけ賃金に差があること
●不況でも求人件数が他と比べて多いこと
●中高年になっても仕事の需要があること
これらを考えると、
エクセルマクロをきっかけにSEやプログラマを目指す価値は十分にあるでしょう。
また、募集人数の多い一般事務職の採用ケースでも、
時給・年収は変わらないとしても、人事の採用基準として、
実務経験や人柄の良さに差が無ければ、
当然PCスキルが高い人の方を採用するとのことでした。
今の日本の労働市場は採用枠が少ないですから、PCスキルを高めて
自分の「アピールできるポイント」をどんどん増やしていくことが必要不可欠だと考えます。
管理職への昇進や、社内異動の可能性も広がる
また、コールセンターやヘルプデスクのお仕事では、管理職になると、
1日何100〜何1,000とかかってくるサービス利用者様からの問い合わせを集計して、
上司やクライアントにレポートすることを求められるので、
エクセルマクロは管理職になるための外せない条件の1つだそうです。
逆に言うと、エクセルマクロが使えるようになれば、
年収の高い管理者へ昇進することもできるという事です。
コールセンターやヘルプデスク業務は、
地代や人件費の安い地方に拠点が置かれやすいですし、
また大量採用する企業も多く、年齢制限も他の職種よりも高いですから、
地方の方はエクセルマクロのスキルを身に着け、
コールセンターやヘルプデスク業務の管理者を目指す、
という戦略的就職・転職活動を行うのも有効だと考えます。
また、昇進したり、別の会社に転職しなくても、エクセルマクロが使えることによって、
より働きやすい部署への社内異動の実現可能性も高まります。